奇想天外な僕の友人アイアンがものすごく興奮した様子で電話を掛けてきました。
「勝った!勝ったぜ! とうとう見つけたんだ・・・金のなる木をッ!!」
何を喋ってるのかよく聞き取れないくらい興奮していましたね。
とにかく今すぐメガネ屋の前に来いと言うのです。
よくわからないまま駅前のメガネ屋に行きました。
しばらくするとアイアンがやって来ていきなりこう言うのです。
「メガネをかけてるとさ?目が疲れちまうだろ?」
アイアンは普段はメガネをかけていないのですが、車を運転する時だけメガネをかける人で
あまりメガネ慣れしていないせいかメガネをかけるとすぐに目が疲れてしまうらしいのです。
「俺!考えたんだよ!目が疲れないメガネを!発明したんだよ!
絶対バカ売れする!今から、その試作を注文すっからさ!」
な、なんだってーッ!?
目の疲れないメガネ!!それは確かに大発明だ!バカ売れの予感!!
一体、どういう事なんだっ!
教えてくれ!アイアン!
「教えてやる!教えてやる!」
〜世紀の大発明!目の疲れないメガネ!の解説〜
「こういうレンズが跳ね上がるサングラスってあるじゃんかよ。」
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「あれのサングラスのレンズが付いている所に度の入ったメガネのレンズをセットすんだよ」

「ようするにサングラスの代わりにメガネのレンズが跳ね上がるようにして、
レンズを跳ね上げた時は裸眼状態になるようにすんの」
・・・。
で?>アイアン
「だから 普段はメガネとして普通に使って

目が疲れちまったら、レンズ跳ね上げて、目の疲れを癒すんだよ!

アイアン「さっそく注文すっぞ!」
( ゚д゚)ポカーン 頭、大丈夫?
開いた口の塞がらない僕をよそに意気揚々と店内に入っていくアイアン。
ハッ!いかんッ!こうしちゃおれんっ!
止めなくてはッ!アイアンを今すぐ止めなくてはッ!そして伝えなくては!
「目が疲れたらメガネ外せばいいんだよ!そんなメガネ売れないよこのバカ!」と!
急いでアイアンを追い店内に入る。
・・・が、既にアイアンはメガネ屋の店員の前で自らの夢の設計図を広げ、
鼻息を荒くして「目の疲れないメガネ」の説明を始めていた。
店員さん、鬼困った顔してら。
『えー、なにぶんこういった注文は受けた事がありませんので・・・それにメガネのレンズですと、
どうしてもサングラスのレンズよりも厚みが出てしまいますので、こういった仕組みにするとなると加工料なども
お高くなってしまいますが・・・』
アイアン 「構いません!」
細かい仕様などを熱心に話すアイアン。
小首をかしげながら話を聞く店員。
「目の疲れないメガネ」の開発は、もはや止めるに止められない状況となってしまっていた。
『えー、それでは加工料を含みましてだいたい8万円程になりますが・・・』
(はちまんえんーッ!?)
アイアン 「お願いします!」
8万円という金額に戸惑いもせず、アイアンは誇らしげな顔で力強く頷いた。
こうして8万円もの開発費をつぎ込み発注されてしまった「目の疲れないメガネ」。
完成は2週間後だという。
「俺、大金持ちになっちゃったりしてな!!」
帰路、アイアンは子供のように目を輝かせながら、いつまでもいつまでも嬉しそうに笑っていた。
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そして2週間後、夢にまで見た金のなる木、「目の疲れないメガネ」を手に入れたアイアンは
さっそくメガネをかけると何度も何度も嬉しそうにレンズを上げ下げした。
何度も何度もレンズを上げ下げしたので目が疲れてしまったアイアンは、
「あー、目ぇ 疲れた」と言うと普通にメガネを外した。
「!?」
この瞬間にようやく何かに気づいたアイアンはジーっと「目の疲れないメガネ」を見つめたまま動かなくなった。
レンズが跳ね上がるという事のメリットを必死に考えていたようだったが、いくら考えてもなんのメリットも見つから
ないのでアイアンはそのうち考えるのをやめた。
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